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TECH系HAMになりたい

D-STARでP2Pネットワーク

D-STARにはDD(デジタルデータ)モードとDV(デジタルボイス)モードが実装されていますが、DVモードにもデータ通信機能が備わっています。このDVモードを使って、P2Pネットワークを作り上げたら面白いと思っています。そのアイデアのメモ。

DVモード

D-STARの音声通信モードであるDV(Digital Voice)モードには、標準でデータ通信機能が備わっています。これは、音声通信をしながらデータ送信を同時に実行できるもので、データ送信速度はおよそ1,200bpsです。ファストデータモードという機能も備わっていて、これは音声通信分もデータ送信に充てたもので、音声とデータの同時送出はできませんが、およそ3,961bpsの速度でデータを送出できます。

icomのID-51では、USBのアダプタを使うことでPC側ではCOMポートと認識され、このポートにデータを送ることで簡単にデータを無線で飛ばすことができます。かつてのパケット通信では、TNCと呼ばれる、データを音声に変換する装置が必要でしたが、D-STARではこれが不要で、データ通信の敷居が下がったと言えそうです。

P2Pネットワーク

ネットワークの概念の話。馴染みのネットワーク方式はP2Pではなくサーバー・クライアント方式と呼ばれるもので、サーバーと無数のクライアントが繋がってデータをやり取りします。クライアント同士はサーバーを介して接続され、サーバーが動かなくなるとクライアントは孤立します。

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サーバ・クライアント方式。サーバーがダウンするとクライアントは孤立する。

対してP2P(Peer to Peer)方式ですが、これはピアすなわちクライアントがそれぞれ個別に繋がり合うネットワークの方式です。サーバーがそもそもないので、サーバーの稼働状況はピアにとって無関係です。面白いのは、各ピア同士は複数の経路で繋がっているので、あるピアがいなくなったとしても、別経路で情報を伝達できるところにあります。ネットワーク全体として、サーバ・クライアント方式より信頼性が高いのです。

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P2P方式。ピアからピアまでの経路が複数あるので、強靭なネットワーク。

レピータはサーバーと同じ

アマチュア無線でいえば、レピータはちょうどサーバ・クライアント方式と言えます。レピータと通信できる範囲にいれば、レピータサイト内にいるハムと通信が可能ですが、レピータがダウンすれば通信が途絶します。

そこで、D-STARのデータ通信機能を使ったP2Pネットワークを構築できたら面白いだろうなぁと思うのです。

インターネットにおけるP2P通信というと、ピア同士はIPアドレスによりつながりますので、ネットワークがダウンすると通信できなくなります。この点、D-STARで繋がったネットワークは本当の意味でのP2Pネットワークだと言えます。

D-STARを使った強靭なP2Pネットワークを構築するには、参加者が多ければ多いほどシステムの信頼性が上がります。信頼性の高いネットワークが構築されれば、災害時にも有益だと考えられます。

どんな機能を実装するか

D-STARのDVモードのファストデータ通信を使ったとしても、せいぜい4kbps程度の速度しか出せません。なので、データ通信といっても、このネットワークでファイルの交換をするといった使い方はナンセンスです。

まず目指すは、D-STARによる物理的なP2Pネットワークに参加している参加者の情報(①コールサイン、②オンライン情報の最終タイムスタンプ(最新のオンライン情報がいつ送られたのか)、③コメント)を、ちょうどSkypeのように一覧で表示させ、ネットワークの繋がりを感じられるところまで行けたらいいなぁと思っています。

問題点

まあなんと言っても無線局運用規則259条(禁止する通報)です。

アマチュア局の送信する通報は、他人の依頼によるものであってはならない。 

(無線局運用規則第259条)

P2Pネットワークとはデータの送信に自分以外のピアをあてにする方式なので、他人の依頼で成り立ってるネットワークです。この条文はアマチュア無線を商用利用させないための条文だと思うので、各局が自発的に通信しているということにすれば大丈夫な気もしますが、まあグレーゾーン?

 

 アプリリリースまでの道のり…

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